下町フォント日記

佐藤豊オフィシャルブログ 2007〜2010

熱意

無料フォントの使用登録システムにコメント欄を設けてあるので、毎日40〜50のコメントが届く。
きょう届いた若い人からのコメントに勇気づけられ、ちょっと涙ぐんでしまった。このサイトを運営していてよかった。書体制作を続けていてよかった。自分の仕事のやりかたが他の同業者とは違うようなので、時々不安になったりするのだが、このまま続けていこうと再決心できた。
心のこもったコメントを寄せてくれたKさん、ありがとう。和文フォント制作がんばってください。


●最近読んだ雑誌以外の本

戸籍も本名もない男~アメリカで夢を掴んだ戦災孤児 (講談社+α文庫)

戸籍も本名もない男~アメリカで夢を掴んだ戦災孤児 (講談社+α文庫)

4〜5歳のとき、唯一の肉親である母を東京大空襲でを亡くし、自分の名前も戸籍も無くしてしまった男。
浮浪児だった彼に文字の読み書きや計算を教えてくれたのは上野の売春婦。底辺の生活から這い上がるため13歳の時にアメリカ行きの船に隠れて渡航。なんど強制送還されてもアメリカへの密航を繰り返す。
親を殺した憎いアメリカになぜ渡るのか。名前も戸籍も無い人間は日本で生活しにくかったのだろう。
移民局に見つかり送還されること10回、24歳の時にやっとアメリカが永住権を与えてくれ、彼はいまアメリカに住んでいる。相変わらず日本の国籍もアメリカの国籍もないけれど…。
とにかく、彼の情熱というか生きるエネルギーに圧倒されてしまった。すさまじい人生だ。不平不満ばかり言って何も行動しない人達は、一度この本を読んでみるといいよ。自分の甘さがよく判るから。