下町フォント日記

佐藤豊オフィシャルブログ 2007〜2010

水上生活者を知っていますか

朝からずっと雨。連休もきょうでオシマイ。今月号のメルマガ、そろそろまとめなくてはね。
リクガメの腹の調子はやっと治まったようで二日ウンチをしていない。彼はオレンジが大好きなようだ。



吾妻橋の上から隅田川を。奥に東武鉄道の鉄橋。右側の船(タグボート)が、中央の大きな船を(距離の関係で小さく見えるが)引っぱっている。動力をもたずに荷物を積む船をダルマ船という。他の力を借りなければ動けないからだろう。
私が幼かったころ、隅田川の両岸には小さな船がたくさん停泊していた。陸に住まいを持たず、船の上で暮らす水上生活者の船だ。大きな船を曳くタグボートは、動力源の焼き玉エンジンが発する音から、ポンポン船と呼ばれていた。
NHKでは1960年〜1964年「ポンポン大将」というテレビ番組を放送していた。主人公役は桂小金治。ポンポン船での仕事と生活が描かれたホームドラマだった。とうぜん白黒映像。テレビドラマになるくらい「水上生活者」という言葉は身近なものだった。荒川にも隅田川にも多くの小船が行き交い、「水上学校」という、陸に家(住所)を持たない人たちのための学校まであったのだ。
1953年の新聞記事に、隅田川の水上生活者は1421世帯と記されているようだ。陸上輸送の発展とともに彼らは姿を消していった。